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日本語で読もう♪ 自閉症に関する研究論文 

"Autism Speaks" (www.autismspeaks.org/) といえば、アメリカでは自閉症に関わる団体として有名です。このAutism Speaksが2011年に発表された自閉症に関する学術論文の中からトップ10を厳選しているので、少しづつ訳してみました。もちろん私流なので。。。直訳チックな日本語をお許しくださいm(_ _)m。

 

その① Earlier Autism Screening Shows Promise

一歳児検診で自閉症傾向がわかる?!

    自閉症傾向をこどもが小さいなうちにを見極めることは、行動療法を伴った療育をより早い段階からはじめられる事につながり、その後の成長、発達に大きなプラスの影響を与えるため重要であるといえます。

    米国小児科学会(American Academy of Pediatrics )が発行している小児科医のためのガイドラインによると、現存のスクリーニングテストで自閉症傾向を判断できる最小年齢という理由から、18ヶ月から24ヶ月の幼児に対しては、検診の際にスクリーニングを行うことを促しています。しかし、 18ヶ月以下の乳幼児の場合、確立されたスクリーニングテストはないというのが近年までの現状でした。 ところが今年になり、1歳児検診の際に簡単なアンケートを取り入れることが、自閉症、または自閉症傾向の高いこどもたちをより早く見極める事に有効であるという研究結果が発表されました。

    137人の小児科医が参加して行われたこの研究は、1歳児検診を受ける乳幼児の保護者を対象に24の質問からなるアンケート用紙を配り、その記入結果をもとに問診が行われました。今回の研究で使われたアンケートは、Communication and Symbolic Behavior Scales Developmental Profile Infant-Toddler Checklistといわれるもので、保護者が5分間ほどあれば答える事ができる簡単なものです。その中には『お子さんはあなたを見たときに、声を上げて笑ったり、微笑んだりとしますか?』や『いくつのブロック、またはリングを積みあげられますか?』などの質問が含まれています。保護者が問診まえに記入したアンケートを、小児科医があらかじめ決められた基準値にそってチェックするという形式がとられました(所要時間は2分ほど)。

    その結果、研究期間中にスクリーニングを受けた10500人ほどの乳幼児のうち、346人が、自閉症の可能性があるとして自閉症を専門としたクリニックでの問診を勧められました。また、346人中、約半分のこどもたちがその後3年間の傾向調査に参加し、32人が自閉症、56人が言語障害、9人が発達障害、36人がその他の障害との診断されたことがわかりました。この数字は75パーセントという正確さで、自閉症、また他の障害を1歳児検診の時点で早期発見する事ができた結果となります。

    この研究結果は、実験で使われたアンケート、また、似たようなスクリーニングテストは、自閉症や早期療法が効果的なその他の発達障害をより早く発見する事に役立つ可能性を持っているという事が言えるでしょう。

    また、カリフォルニア大学、医学部のKaren Pierce, Ph.Dを中心に行われたこの研究がもう一つ成果として、乳幼児に対する自閉症へのスクリーニングテストが臨床の現場に、従来よりも取り入れられるようになった点をあげています。この研究結果が論文として発表された時点で行った事後調査によると、この研究に参加した137人の小児科医が、調査後も継続してアンケート形式のチェックリストを使い自閉症への早期発見へと取り組んでいると解答。ちなみに、事前調査では、一歳児検診で自閉症へ対するスクリーニングをおこなっていた小児科医はわずか30人(全体の22パーセント)しかいませんでした。

 

原文はこちら→ www.autismspeaks.org/science/science-news/top-ten-lists/2011/earlier-autism-screening-shows-promis

Top Ten Autism Reserch Achievements by Autism Speaks (www.autismspeaks.org/science/science-news/top-ten-autism-research-achievements-2011)