音楽療法@NICU

 

小さな赤ちゃんと音楽療法

一般的にNICUと省略される事の多い『新生児特定集中治療室』。 NICUでの音楽

療法を行っている施設は、数多くあります。

 

中でも、NICU音楽療法の研究を長く続けているFlorida State UniversityのDr. Stantlyは、音楽療法の効果として次の事をあげています。

 

1:体重の増加 (結果的に入院期間が短縮)

2:まだ、お母さんのおなかの中で発達するべきであった脳細胞、神経細胞の発達を促す

3:ミルクを飲むためのスキルの向上 (Suck-Swallow-Breathe)

 

 

 

 

1.2に対しては、マルチモーダル (Multimodal Stimulation)というアプローチが使われます。

 

一回のセッションは20分以内とされ、赤ちゃんの様子を見ながら慎重に行われます。そのとき使われる音楽は70db (C scale)以下で、60beat/minutes、変化の少ない音楽を使う事が重要であるとされています。

 

また、3のミルクを飲むためのスキル向上に対しては、PALという特殊な装置が使われています(もちろん、音楽療法士が生演奏をしてもよいのですが)。

 

この装置は、赤ちゃんのおしゃぶりにセンサーがついていて、理想的なしゃぶり方をすると音楽が一定の間流れるという仕組みになっています。この、PALを授乳時間の前に使う事により、赤ちゃんのミルクを飲むためのスキルが向上するとされています。

 

 

 


米国では低体重児、未熟児として生まれた赤ちゃんの約50パーセントが、何らかの形で将来、特別支援教育を受けるという調査結果があります。そういう意味でも、NICUにおける音楽療法は、大切な早期療法であるとDr. Stantlyはおっしゃっています。

 

日本ではNICUの病床不足が深刻な状況と聞いています。音楽療法を取り入れることで在床期間の短縮ができれば多少なりとも改善されるのではないでしょうか。

 

また、日本では、赤星式療育音楽の研究者の方々が早くから、音楽と赤ちゃんの研究をされているようです。